3年通ってくださっている60代のゲスト。
先日、こんな話をしてくれました。
「40年ぶりに、なぜか腰が痛くなったんよ」
実はこの方、40年前に腰を痛めた経験があるそうです。
当時は働き盛りの社会人。痛みがあっても休まず、体より仕事を優先していたとのこと。
その後は特に再発もなく、自己流で筋トレを続けながら健康を保ってこられたそうですが、
最近「なんかもう限界を感じる」と話してくださいました。
整え担当は昔なじみでもあり、「筋膜ケアは初めて」とのことでご来店。
ご自身でも身体のバランスを整えてきた方でしたが、筋膜リリースは初体験とのことでした。
あれからもう、3年近く。振り返ると本当にありがたいことです。
■ 積み重ねてきたケアが、ようやく届いた場所
通い始めてからは、体のバランスがゆるやかに変わっていき、
特に猫背が改善し、上半身が細くなっていきました。
途中からは家庭の事情を優先するスタイルに変わり、
ゆっくりペースながら3週間に一回を継続してくださいました。
ところが先日、久しぶりに「腰の違和感が出た」とのご連絡。
整え担当としては、ようやく長年蓄積された“コリの層”に届いたという手応えがありました。
でもそれが、40年も前のもの。
どう反応が出るかは予測がつかず、声のかけ方に迷ってしまいました。
驚かせてしまったかも…と思いましたが、
これまでの信頼関係があったおかげで、ゲストは安心して再来店してくださいました。
■ 本当の“本丸”に届くとき
施術後は、「背中の張りがスッキリ取れた」「自然に背骨が伸びた」と、二人で感動。
ようやく、本格的なケアの入口に立てた実感がありました。
実際、3年通ってようやく“本当に痛みの原因だった場所”が動いた。
だけど、そこに届いたのは、ちゃんと土を耕すように体の表面からゆるめてきたからこそなんです。
そして思うのは、それまで元気に過ごしていた人ほど、ある日ガクッとくる時が来るということ。
その“落ちるタイミング”に慌てないためにも、
コツコツ整えておくことの大切さを、あらためて感じた一日でした。
■ 習慣の中に潜む、ひずみの原因
帰り際にぽろっと話してくださった、ある習慣——
「テレビを見るとき、ソファに座って足をテーブルに乗せるのがクセで…」と。
その姿勢を聞いて、ピンときました。
それは、座ったまま足を持ち上げるV字のような格好。
実はこれ、膝や腰に大きな負担がかかる危険な姿勢なんです。
整え担当も以前から「膝にだけ不自然な緊張がある」と感じていましたが、
ようやく原因がつながりました。
■ 鍛える前に、“使い方”を見直す
正直、普段の生活の中にある“ちょっとした習慣”が、
痛みや歪みをつくっていることは本当に多いです。
だからこそ、セルフケアや筋トレよりも、まず“しぐさ”を見直すことが大切なんです。
私たちは、「鍛える前に、使い方を知る」こと、先人が培った身体のマナーを大切にしています。
そして、表面のケアをコツコツ積み重ねてきたからこそ、
ようやく“本丸”に届く日が来るということを、今回のケースであらためて実感しました。
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