昨年から厚生労働省から【健康日本21】の第三次がスタートしました。
多様化する時代に入り、これまでの健康の指標を1本にしぼらず、世代や生活、性別、地域別に健康指標を提案してしていこうという政策です。
その中で最近「日本人は座る時間が長い」と問題視され立って動くことを薦められてます。しかし、この座り時間の多くは“椅子に座る時間”のことではないでしょうか?
ふと日本の政策なのに「正座の統計まで実はとってないのでは?」と思い、今回はあえて取り上げてみました。
もちろん「膝が痛い」「反り腰で辛い」という方は無理は禁物です。
でも、正座の弊害は、足のしびれ。踵への負担以外あまり思いつかないんですよね。
もしかしたら、短い時間なら“正座”は体にとって案外優しい姿勢なのかもしれません。
■ 正座で感じやすいことを挙げると…
❶ 背中が自然に伸びる
❷ 骨盤が立ちやすく、下腹も伸びて出にくくなる
❸ 内臓や骨盤まわりが安定しやすい
これは、踵2点と股関節2点で支える“点での着地”が関係していると考えられます。
椅子ではお尻全体で“面”として固定されるため、筋肉の自由度が下がり、背骨の連動を無視した首や腰だけに負担がかかりやすくなるのです。
一方、正座は「点」で支えることで体の軸が自然に整い、背骨の中心(鳩尾のあたり)からしなやかにひねれるため、腰や首の負担も和らぎやすいと感じられます。
■ むくみ・足首ケアにも
正座は踵に体重がのるため、普段と違う角度で足首に圧がかかります。
これが足首の柔らかさを保つトレーニングになり、むくみ対策や“ばね”の維持に役立つと考えられます。
逆に踵や足首が固いままだと、年齢とともに可動域が狭まり、全身バランスに影響が出やすくなります。
足首が動かないとスクワットの姿勢もとりにくくなり、転びやすさにもつながると言われています。
最近では和式トイレを経験したことのない子どもが増えており、将来的に足首やアキレス腱の柔軟性が低下しやすいのではないか、という指摘もあります。
■ 膝を守る動き方のヒント
正座生活を意識するなら、マナー教室で学ぶ仕草を取り入れるのもおすすめです。
両足を重ねずに片足を引く姿勢は見た目が美しいだけでなく、屈むときに膝を痛めにくくなる工夫でもあります。
また正座をしたまま膝や足首を立てて使うと、小回りよく動きやすくなるので、日常動作を柔らかくサポートしてくれます。
■ まとめ:短時間でOK
長時間は足がしびれてしまうのでおすすめしません。
ただ正座は、胡坐(あぐら)やお姉さん座り、体育座り、椅子に比べても、姿勢が自然に整いやすいと感じます。
家にたとえるなら、基礎が斜めになっているとひび割れや崩れが起きやすいですが、基礎がしっかり整っていれば、地震にも強く長持ちしますよね。
正座をすると真下にある膣と下腹部のラインがまっすぐ垂直に揃い、“身体の地盤”が安定する感覚があります。
その結果、下腹は前に張りにくく、すっと上に伸びやすい。腰まわりへの負担も軽減される、意外と「おいしい座り方」かもしれません。
3〜10分を小分けに繰り返すだけでも“姿勢リセット”として十分。
ちょっとした休憩やテレビを見るときなど、暮らしの中に取り入れると体を見直すきっかけになります。
※膝や腰に痛みがある方は無理をせず、自分に合う範囲で取り入れてみてくださいね。
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