■ 04. 腹直筋を
「前面の基準線」として見る考え方
お腹の施術をしていると、
腹直筋が体の前面の張力を保つ、
基準線のように見えることがあります。
腹直筋は、
恥骨から胸の下部までを、
体の前面でほぼ縦に結んでいます。
この筋肉が適度な長さと張力を保つことが、
胸郭と骨盤の位置関係を支える一部になるのではないかと、
リルークでは考えています。
背骨を、
いくつもの部品をつないだ支柱に例えてみます。
背中側の一本だけに負担が集中するよりも、
体の前面にも幅のある支えがあれば、
- 腰を反らせて姿勢を作らなくて済む
- 胸を張りすぎなくて済む
- 首や肩まで過剰に緊張しなくて済む
可能性があります。
ここで使っている「前面の基準線」は、
正式な解剖学用語ではありません。
リルークで施術や計測を行う中で、
体の前後の張力を考えるために使っている表現です。
■ 05. 前面で支えにくいと、
背中が代わりに頑張ることがあります
体の前面で支えにくくなると、
別の場所が代わりに頑張ることがあります。
例えば、
前面の張力が保ちにくい
↓
胸郭と骨盤の位置関係が崩れる
↓
背中で上半身を引き上げようとする
↓
腰を反らせる
↓
首や肩まで緊張する
といった流れです。
見た目には背筋が伸びていても、
実際には腰や背中を固めて立っていることがあります。
姿勢を良くしようとして、
胸を張る。
お尻を締める。
腰を反らせる。
という方法を使う方も少なくありません。
しかし、姿勢は背中だけで作るものではありません。
前面と背面。
胸郭と骨盤。
体幹と足元。
それぞれが支え合いながら保つものだと考えています。
■ 06. 腹直筋だけでなく
腹圧の仕組み全体で考えます
ここで注意したいのは、
腹直筋だけで体を支えているわけではないということです。
体幹の安定には、
- 腹直筋
- 腹横筋
- 内腹斜筋・外腹斜筋
- 横隔膜
- 骨盤底筋
- 背中側の筋肉
など、多くの筋肉が協力して関わります。
呼吸をするときには横隔膜が動き、
お腹まわりの筋肉や骨盤底筋も、
腹圧の調整に関わります。
そのため、腹直筋を単独で見るよりも、
胸郭・腹部・骨盤をつなぐ体幹全体の一部
として見る方が自然です。
腹直筋は、その中で
体の前面の張力に関わる構成要素の一つです。
■ 07. 横隔膜や腸腰筋にも
間接的に関係する可能性があります
胸郭と骨盤の位置関係は、
呼吸や腹圧、
腰椎周辺の筋肉の使い方にも関係します。
腹直筋と横隔膜、腸腰筋が、
一本の筋肉のように直接つながっているわけではありません。
しかし、体全体の位置関係や張力の配分が変われば、
呼吸や体幹周辺の筋肉の働き方にも
変化が現れる可能性があります。
ただし、
腹直筋が伸びれば、横隔膜や腸腰筋も自動的に整う
という単純な関係ではありません。
この点についても、
リルークでは施術と計測の中で観察を続けています。
■ 08. お尻が硬いほど
姿勢が安定しているとは限りません
施術では、姿勢を支えようとして、
お尻を強く固めている方も見られます。
しかし、お尻が硬く緊張していることと、
体が安定していることは同じではありません。
体の前面や足元で支えにくいと、
骨盤を守るために臀部が頑張り続けることがあります。
反対に、胸郭・骨盤・足元の位置関係が変わると、
お尻は必要以上に固めなくても済むことがあります。
筋肉は、
常に硬くしておくことが大切なのではありません。
必要なときに働き、
必要のないときには力を抜けること。
自然に伸び縮みできる余裕も、
体を安定させるためには大切だと考えています。

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