■ 01. 全部やらないからこそ整う
ケアの哲学
これまで2回にわたり、
「千手観音化」によって起こる心と身体の混乱、
そして“2本の腕”に戻ることで整えるリセットの視点についてお話ししてきました。
そして今回が、シリーズのラストです。
テーマは、“選手観音”です。
■ 02. 全部やるは、やさしさではない
どんなことも自分で抱えて、全部やらないと。
そう思って動いていた時期が、私にもありました。
今も新しいことをするたびに、
そんな自分に戻っているかもしれません。
でも実際には、
“全部やる”ことは“全部に手を出す”ことでもあります。
そのぶん、
本当に必要なところに力が届きにくくなることがあります。
必要なときに、必要な手だけを差し出す。
それが“選手観音”という考え方です。

スポーツの「選手」が浮かぶかもしれませんが、
ここでは、その空間の“今”に合ったものを「選ぶ」こと。
「選び抜かれた動き」こそが、
人の身体に届きやすいと私は考えています。
■ 03. 施術者は
千手ではなく
選手でいたい
私が施術で大切にしているのは、
とにかく「全部の技を使う」ことではありません。
必要があれば足も使い、四手になります。
そういった情報を受け取りながら、
一番必要な場所に、
必要な刺激を、
今の体に合わせて届ける。
これは“引き算のケア”とも言えるかもしれません。

しかしこの引き算のケアとは、
“やらないことで整う”という、
ある意味セラピストに求められる最難関の選択力です。
筋膜リリースによって、
可動域がふっと広がるように感じたり、
肩や呼吸の変化を感じたりする方もおられます。
■ 04. 引く手もまた、整える手
がんばりすぎている人ほど、
“手を出すこと”に慣れすぎていて、
“手を引くこと”を忘れていることがあります。
でも、本当に信頼されている人ほど、
黙ってそばにいてくれたり、
一歩引いて見守るという“手の使い方”をしている気がしませんか?
また、他の人に頼る。
聞いてみる。
それも、ひとつを減らすための行為です。
施術も同じです。
“全部やって差し上げる”のではなく、
“本当に必要な手だけを差し出す”。
その姿勢が、
あなたの身体の中にある整える力を、
そっと思い出すきっかけになることがあります。
■ 05. 整えるリズムへ
その場の変化より、
日常に戻ったあとの安定。
整えるリズムについては、
こちらでまとめています。
✔『“次の1週間を見る”という通い方』
■ たくさんされるより
今必要なことを見てほしい方へ
体を整えるとき、
たくさん触れれば良いとは限りません。
強い刺激が苦手な方。
その日の状態に合わせて見てほしい方。
どこへ行っても、同じような施術に感じていた方。
必要なことだけを、丁寧に確認してほしい方。
そんな方にとっては、
「何をするか」だけでなく、
「何をしないか」も大切になります。
リルークでは、
その日の体の反応を見ながら、
今必要な手を選ぶように整えていきます。
全部を抱え込むのではなく、
今の体に必要な順番を確認する。
それが、次の1週間を少し楽に過ごすための入口になることがあります。
■ 広島市中区|必要な手を選ぶ筋膜ケア
➔【筋膜リリースの考え方】を見る
※本記事は施術観・ケア思想に関する考察であり、医療行為や治療効果を示すものではありません。

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