腹直筋をシリーズで整理していくと、
もう一つおもしろい視点が見えてきました。
■ 01. 和式トイレでは、腹直筋を縦に保つ機会がありました
以前の日本では、和式トイレで深くしゃがむ姿勢が、日常生活の中にありました。
2010年代に入っても、まだ学校では和式トイレが主流だったのです。
しかし現在は洋式トイレが増え、和式トイレを使う機会はかなり少なくなっています。
和式と洋式の違いは、

■ 02. 背中を丸めながら、お腹の前面は縦に保つ
和式トイレの姿勢は、見た目では背中を丸めた猫背のように見えます。
けれど、背中が丸くなることと、お腹まで強く折れ曲がることは同じではありません。

リルークでは、和式トイレの姿勢には、
これまで腹直筋の記事で整理してきた
お腹の前面を縦に保つ
という体の使い方が含まれていたのではないかと考えています。
上半身を前へ傾けながら腹部を縦に保つことで、腹直筋を含む体幹前面には、姿勢を支えながら腹圧を受け止める働きが求められます。
もちろん、
和式トイレなら腸がねじれない
和式トイレなら排出しやすくなる
と断定するものではありません。
排出には、食事、水分、呼吸、骨盤底筋など、さまざまな要素が関わります。
■ 03. 和式トイレに含まれていた体の使い方
それでも和式トイレには、
- 腹直筋を縦方向に保つ
- 背中を丸めながら腹圧をかける
- 腹部を強く折り畳まずに支える
- 足元から胸郭までを協力させる
という体の使い方が含まれていた可能性があります。
現在では、座面に体重を預けず、深くしゃがんだ状態で腹部を縦に保つ機会も少なくなりました。
和式トイレが減ったことで腹直筋が使われなくなった、と単純には言えません。
ただ、以前の日常生活には、腹直筋を短く縮めるだけではなく、縦方向の長さと張力を保ちながら全身を支える経験が含まれていたのではないかと考えています。

✔『帯を締めていた時代はなぜ体が安定していたのか』
■ 04. 現在も観察を続けている仮説です
ここまで書いた内容は、腹直筋には必ずこの役割がある
と断定するものではありません。
一般的な解剖学では、腹直筋が体幹を前へ曲げる働きに関わることは広く知られています。
一方で、姿勢の保ち方や、ほかの体幹筋との協調の仕方は、一人ひとりの体の状態や動作の癖によって異なります。
リルークで考えている「前面の基準線」という見方も、施術や計測の中で生まれた観察上の仮説です。
今後も会話や動作、計測などを通して、体の前面の張力と全身の支え方を見ていきたいと考えています。
■ 05. 広島市中区|体を支える順番から考える筋膜ケア

リルークでは、腹筋だけを鍛えたり、一つの筋肉だけを強く刺激したりすることを目的にはしていません。
- どこで体を支えているのか
- どこで動きを止めているのか
- どこで力が逃げているのか
- どこが代わりに頑張っているのか
を確認しながら、全身のつながりを見ています。
お腹を強く固めなくても立ちやすくなると、長時間立つ仕事や家事の中で、腰や肩へ入る力の使い方が変わることもあります。
※本記事は一般的な体の使い方や身体感覚について整理したものです。便通や腹部症状、強い痛み、しびれ、急な体調変化がある場合は医療機関へご相談ください。
■ 広島市中区|体を支える順番から考える筋膜ケア
➔【筋膜リリースの考え方】を見る

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