「手で当てる」と書きますが、
自分ではない誰かに、そっと触れてもらったとき、
まるで森林浴に出かけたあとみたいに、
気持ちがすっと軽くなる感覚はありませんか。
もともと、体の端にあたる部分は、
外とのやり取りが起きやすい場所だと言われています。
とくに「手」は、昔から人をいたわったり、
疲れたところに自然と当てたりと、
言葉を使わないコミュニケーションの役割を担ってきました。
専門的な知識がなくても、
誰かに触れてもらうことで、
ほっとしたり、安心したりすることがあります。
その理由は、
人に触れた体の中で安心に関わるホルモン(オキシトシン)の関与があると言われています。
赤ちゃんが抱きしめられたときと同じように、
体は“守られている”という感覚を思い出すのかもしれません。
当サロンでは、
オールハンドによる筋膜リリースを行っています。
力で動かすのではなく、
皮膚や膜の反応を感じ取りながら、
今の体がどう応じているかを確認していく施術です。
体には、これまでの使い方や、
積み重なってきた緊張、
そのときどきの感情の名残が、
静かに残っていることもあります。
ですので、
初回ですぐにすべてがほどけるとは限りません。
回数を重ねる中で、
少しずつ体の反応が変わったり、
「受け取る準備」が整っていくように感じる方もいます。
当サロンでは、施術直後の感覚だけでなく、
「そのあとの1週間がどうだったか」を大切にしています。
体がなじんでいく時間は、人それぞれ。
当日はふわっと軽く感じても、
数日かけてじわじわと動きやすさを実感される方もいます。
逆に、少しだるさを感じながらも、
1週間の中で整っていく感覚に変わることもあります。
だからこそ、
その場の変化よりも、
次の1週間の過ごしやすさを目安にしています。
人には、目や口で伝える言葉だけでなく、
言葉にならない感覚や、気持ちの動きがあります。
そうした部分にも、
静かに目を向ける時間があってもいいのかもしれません。
仕事帰りに肩が重く感じる日もあっても
「手当て」を通して
ふだん後回しになりがちな、肌と肌のコミュニケーションを思い出す。
そんな時間を、
体の声を聞くきっかけとして、
使っていただけたらと思います。

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