万博で学んだ「整える」という感覚
たった一日で、体がこんなに語るなんて思わなかった。
万博の旅は、私に“整える”という言葉の意味をもう一度教えてくれました。
先日、大阪万博へ行ってきました。行きは新幹線、帰りは閉園ギリギリまで楽しんでからの深夜バスという強行スケジュール💦
朝から夜まで歩きっぱなし。次の日も予定があったため荷物も多く、「ロッカーも混むらしい」と聞いていたので、リュックを背負ったまま会場を歩き回りました。
途中から、まるで体がくの字のまま固まってしまったような感覚。太ももの前は張り、足裏はじんじん。深夜バスの長時間移動では尾てい骨にも重さを感じて、朝には体のあちこちが「もう少し休ませて」と言っているようでした。
でも、これはある意味“いい研究材料”だと思ったんです。どこに負担がたまりやすいのか、どんな姿勢のくせが出ているのか。早朝から温泉とマッサージに行き、体をゆるめながら自分の体を観察してみました。
温泉の後はよく眠れたものの、翌朝には太ももや股関節まわりの張りがまだ残っていて、「体って、本当に正直だな」と実感しました。
そこで、自分の手でゆっくり体を感じながら整えてみることにしました。すると、体の内側に少しずつ空気が入るように、呼吸が深まっていく感覚があったんです。改めて思いました。
――やっぱり、“手で感じる”ということには特別な力がある。
サロンでもよくお伝えしていますが、「筋膜リリース」とひとことで言っても、実はいくつかの方法があります。使う理論や道具が違えば、感じ方や目的も違います。ただ一つ共通しているのは、“体の中の膜がスムーズに動ける状態を目指す”という考え方です。
■ アプローチごとの特徴
- 💡 リリースカッター
電気刺激を使って、筋膜同士の間に小さな“通り道”をつくるような感覚。乾いた粘土に細い隙間を入れて、空気を通すイメージ。 - 🔥 ラジオ波
熱の力で奥の層をゆるめていくタイプ。粘土をぬるま湯で温めながら、自然と柔らかさを取り戻していく感覚。 - 💧 カッサ
表面の流れを整えるアプローチ。柔らかくなった粘土の表面をヘラでなでて、水分や気泡を押し出すように整える感覚。 - 🖐️ 手による筋膜リリース(当サロン)
赤ちゃんの発育過程をベースにした「感覚で整える」手技。“押す・さする”ではなく、体そのものが「どう動きたがっているか」を感じ取りながら、呼吸や膜の流れをサポートします。
リリースカッターは「電気で隙間を開く」
ラジオ波は「熱で柔らげる」
カッサは「流れを整える」
そして、手は「感覚で調律する」
当サロンの筋膜リリースは、さらにその先の、
“膜の意志に合わせて整える”という段階を大切にしています。
体は、まるで粘土のようなもの。乾いた部分、重なった部分、形の崩れた部分を、ひとつずつ“もとの形に戻していく”のがリリースです。
万博の帰り道、自分の体を観察しながら少しずつ調えていくうちに、「体って、こんなにも多くを教えてくれるんだ」と感じました。
筋膜を整えるということは、細胞の声を聴くように形を感じること。形を感じることは、心を静めることにもつながります。
旅の疲れを通して、また一つ、“自分の手の感覚”から学ばせてもらいました。
※本記事は筆者の体験と感覚をもとにした内容です。施術の効果や体感には個人差があり、医療行為や治療を目的とするものではありません。

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