■ 「お腹に力を入れて」と言われて困ったことはありませんか?
ジムやストレッチなどで、
「お腹に力を入れてください」
と言われた経験がある方も多いと思います。
しかし実際には、
・どこに入れればいいのか分からない
・入れているつもりでも腰が反る
・首や肩ばかり力が入る
・踏ん張ろうとすると苦しい
こういった状態になることがあります。
これは単純な筋力不足ではなく、
力を入れる前提そのものが、人によって違っているのかもしれません。
■ 生活様式が変わり、「丹田」を使う感覚だけが残された
日本人にとって、
着物文化は体を支える感覚を作る一つの土台だったのかもしれません。
自然な生活の中で、
・帯で腰まわりを支える
・服を斜めに重ねる
・左右をクロスして動く
こうした動きが日常にありました。
現代では、
こうしたクロス動作を繰り返す機会がかなり減っています。
着物を着ていた時代は、
武士は剣を振るい、
農民はクワを使い、
小さな時から日常の中で
捻る動きを通して全身運動を繰り返されていました。
さらに、
安定して同じ場所へ力を伝えるには、
背筋が伸びていることも必要でした。
その動きの中心にあったのが、
丹田とも呼ばれる部分だったのだと思います。
包丁を使う時に、
「包丁を使う方の脇を閉めなさい」
と言われるのも、
姿勢を安定させる感覚の名残なのかもしれません。
”生活のために道具を扱える体”を毎日つくり、全てに意味みたいなものを持ってつながることができていた。
そう考えると、
体を使わせなくても済むシステム作りによって、現代は姿勢が維持できにくくなったのに、
「胸を張りなさい」「お腹に力を入れなさい」という一言で、
無意識に“反ること”を推奨しがちの時代になったのかもしれません。
✔『帯を締めていた時代はなぜ体が安定していたのか|骨盤と服装の関係』
■ 本来、筋肉は“伸び縮み”できて初めて働きます
筋肉は、
ただ硬くなればいいわけではありません。
伸びること。
縮むこと。
この両方ができることで、
初めて支える力として働きます。
しかし、
・座る時間が長い
・同じ姿勢が多い
・呼吸が浅い
・力み続けている
こうした状態が続くと、
筋肉は縮んだまま固まりやすくなります。
すると、
「力を入れる」というより、
ただ固めている状態になりやすくなります。
■ 力を入れているのに不安定な人
施術をしていると、
内側で支えるよりも、
外側ばかり固めている方が多く見られます。
まるで鎧のように、
全身が緊張している状態です。
本来は、
・呼吸
・骨盤
・横隔膜
・お腹まわり
こうした部分が普段から連動することで、道具を使いやすい身体のベースが出来上がり、
内側から支える力につながっていきます。
しかし、最近は指先で済む動作が増え、
体幹が抜けたまま力を入れようとすると、急に連動は出来ません。
・腰で止める
・肩で耐える
・首が緊張する
といった状態になりやすくなります。
✔『ジムで力が抜けない人へ|脱力できない2つの理由』
■ 「締める」と「支える」は違います
現代では、
「お腹を締める」
「腹筋を固める」
という言葉が一人歩きし、
その意識が強くなっています。
しかし施術をしていると、
筋肉一つとっても、
「どこから始まり、どこへ伝わるのか」
を見ることがあります。
動きには、
始まる場所と、
伝わっていく方向があります。
ですが私たちは、
その感覚を学ぶ機会がほとんどありません。
そのため、
「お腹を締める」
と言われても、
どこを、どう支えるのか分からないまま力んでしまうことがあります。
本来の体幹は、
お腹だけで完結するものではありません。
体の中心から全身へつながり、
必要な時に自然と支えられる状態です。
横から押された時でも、
体幹が使えている人は、
無理に固めなくても自然と支える力が働きます。
運動が得意な人ほど、
無意識に体の使い方を学習しています。
逆に、
力を入れているのに疲れやすい人は、
「どこに力が逃げているのか」
を考える機会が少なかったのかもしれません。
✔『股関節ストレッチしても変わらない人へ|“止まっている体”の話』
■ 外側だけでは支えきれないこともあります
ベルトやガードル、
姿勢を支える道具によって、
一時的に安定することもあります。
何もないより支えにはなりますが、
一点で留める構造では、
留め具側に負担が集中しやすくなります。
外側で支えることができるのは、
道具があるからこそです。
表向きに支えられるので、賢く使うこともいいとは思いますが。
その状態が続くことで、
内側で支える感覚が使われにくくなることがあります。
その結果、
・力が抜けやすい
・踏ん張れない
・姿勢が崩れやすい
といった状態につながることもあります。
■ 広島で体の使い方を整えたい方へ
体幹が安定しにくいときは、
単純に鍛えるだけでなく、
・どこで止めているのか
・どこで力んでいるのか
・どこが動けていないのか
を見ることも大切です。
当サロンでは、
強く鍛えることを目的にはしていません。
また、
セルフケアを大量にお伝えすることも多くありません。
その代わり、
施術や日常の会話の中で、
「どこで支えているのか」
を少しずつ一緒に確認していきます。
体の使い方を知ることで、
無理に力まなくても、
自然と支えやすい状態に近づいていきます。
✔『当サロンの通い方』
■ 広島市中区|順番から整える筋膜ケア
➔ 【筋膜リリースの考え方】を見る

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